目を開けるとまぶしい白い光で視界は真っ白くそれ以外何も見えないかった.
私の意思は,体をなんとか動かそうとしているようだ.しかし縛られているのか金縛りなのか全く動く気配がない.
助けを求めているようだった.どうにかしてそこから逃げ出そうとしているらしい.
しかし声を出そうとしても,声が出せない.
これは夢なんだろう,きっと.夢の中で金縛りにあっているんだろう.
そう思っていたら,口のあたりに何か感覚があった.
どうやら下唇をめくられてる.明らかに私の口に何かされている.歯茎あたりが乾いてきた.
何者が何をしているのか見ようとするが,視野は真っ白なままで何も見えない.
すると下前歯の下あたりに鈍い痛みがあった.
一気に恐怖に駆られた.これは現実に起きてることなのか?
痛みを感じた瞬間に私はバッドエンドの想像をしてしまった.
これは,今宇宙人に口の中の下顎に何か埋め込まれてようとしてるに違いない.
みるみる恐怖’とともに息苦しくなり,ハッと息を吸い込んだ.
目を開けると自分のベッドの上だった.
うつ伏せの体勢で寝ていた.うつ伏せで寝れたことなんて一度もないのに.
ただ苦しくて寝苦しかっただけなのか?
それにしてもどっと疲れを感じた.体が重かった.
ここで眠ってしまうまでの記憶がない.ついさっきの奇妙な記憶までは残っているがその前の記憶が飛んでいる.
いつからベッドで寝ていたのか.なぜこの部屋にいたのか.
本当に口の中に埋め込まれたのか,舌で確認してみたが傷のようなものはなかった.