今回は,LOREの第3話ーさらわれる女たちをレビューしました.実際にあったアイルランドの妖精の伝承,男尊女卑の悲しい時代背景.
ドキュメントとも言えるほど真実に沿っていて,1話,2話よりは個人的には高評価です.
前回,前々回のエピソードについてはコチラ↓


あらすじ&ネタバレ
2009年6月2日 ニューヨーク州イサカ
キャロラインとブラジェイはジョギングに出かけた
28歳のキャロラインはガンの研究者
24歳のブラジェイは博士号の取得に失敗し、スタートアップ企業で週80時間働いていた
キャロラインと走っていると、ブラジェイは強迫観念にかられた
”彼女はキャロラインではない”
”キャロラインのふりをした何者かが、自分を破滅させようとしている”
彼はキャロラインを殺してしまう
弁護士はブラジェイをカプグラ症候群であると主張
愛する人が入れ替わったと信じ込んでしまう病気
彼は終身刑に
100年前こうした主張は一般的だった。だが誰もが精神疾患だったわけではない
社会全体が迷信にとりつかれていた
最も恐ろしい例がアイルランドにある
この事件,思うところは本当にブラジェイが過労のストレスや何か原因が合わさってカプグラ症候群に至ってしまったのか.
それとも,博士号を取得し成功している彼女への嫉妬が彼を狂わせてしまったのか.
これは本人にしかわからない.
【メインエピソード】Bridget Cleary
妖精・Changeling
19世紀アイルランドでは不可解な現象が起こると魔法や迷信に答えを見出そうとした
原因は霊的な生き物,妖精の一種だとされ、”取り替え子”チェンジリングの仕業だと言い伝えられていた.
チェンジリングという妖精は,人間を連れ去ってしまう
迷信によれば、愛する人が変わって見えるのは理由がある
本人ではなく、ドッペルゲンガーやチェンジリングなのだ
ブリジット・クリアリーと甲斐性なしバカ夫
アイルランドの農村バリヴァドリーに住むブリジット迷信とともに育った。
ブリジットはミシンを使いこなす現代的な女性だった.夫マイケルはタル職人
家計はブリジットの服の仕立てと卵の販売に支えられてい
夫妻の家計の内情については村中が知っていた。
アイルランドでは妻は夫の所有物だった
妖精は人間をさらうと鉄器時代の砦の跡に連れていった
古い時代この砦は、別世界の入り口として”妖精の輪”と呼ばれてた
妖精は狙った人間とそっくりの姿で入れ替わり、誘拐し彼らの世界に連れ去る
子供の病気やかんしゃくはチェンジリングが入れ替わったせいだと疑われた
家族や友人に興味を失うのがチェンジリングに変わったサインだとされた
ブリジットは卵の配達から戻ってきたが
高熱と幻覚の症状が出ていた.夫は妖精チェンジリングの仕業だと主張する.
連れ去られたものは9日以内に救出しないと永遠に帰ってこない
ブリジットの運命は...
イギリス人のアイルランド人嫌いは有名ですがアイルランド人のイギリス人が嫌い.
この事件はイギリス人がアイルランド人に対してもつ野蛮で自制に欠けるイメージを助長させた
また最後の魔女狩りだとも言われています.
今もアイルランドの学校で伝わる縄跳びの歌
Are you a witch or
Are you a fairy?
Or are you the wife
of Michael Cleary?
この事件が元にJump rope rhymeになっています.
日本も「かごめかごめ」のような言い伝えられたものがあります.しかしこういった事件が遊び歌になっているというところ,アイルランドは今も民俗・伝承が根強いんだなと感じます.

感想・まとめ
ドラマを見終えてみると,迷信を信じるバカ夫だけが悪いように描かれています.
しかしこの”妖精裁判”について調べていくうちにそうではない気がしてきました.そこに居合わせた友人や親,親戚なども迷信に囚われていて集団心理なども働いたのではないかとも思えます.
このストーリーは海外ではとても有名らしく,”Bridget Cleary”,”fairy defence”などのワードで検索するとすぐに出てきます.
第3話まで来てやっと面白さがわかってきたというか,やっと面白くなってきた感があります.
このドラマのホラーってゾンビをメッタ殺しにしたりするような流行りのホラー,ワーキャー怖いって感じではなくて
人間の猟奇的な部分を表現したり,善人の倫理観を捻じ曲げるような不快さがあります.
とっても気持ち悪い(胸糞悪い)スリラーだなーと.
ホントなんともいえない食欲なくすようなでもあり,でも見てしまうそんなドラマ
次のエピソードはこちら

